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意外に知らない香辛料の世界|スパイスとハーブの違いとは?

2025/06/30

香辛料は、料理に風味と彩りを添えるだけでなく、味に深みとアクセントを与える役割を果たします。世界中の多様な料理を楽しめるのも、香辛料の力が大きいと言えるでしょう。

香辛料と聞くと、多くの方がスパイスを思い浮かべるかもしれません。実は、ハーブも香辛料の一種とされています。この記事では、意外に知られていない香辛料の種類について、わかりやすく解説します。

香辛料とは?

香辛料

一般的に香辛料とは、植物の一部を使った、料理に香りや辛味を与える調味料と認識されています。香辛料の種類は大きくスパイス(主に種子、果実、根、樹皮を使うもの)とハーブ(主に葉、花、茎を使うもの)に分けることができます。
ただし、国際的に統一された明確な定義はなく、日本では以下のように、利用する部位によって大別されることが多いようです。

全日本スパイス協会では、次のように定義しています。

香辛料とは
香辛料とは植物体の一部で、植物の果実、果皮、花、蕾(つぼみ)、樹皮、茎、葉、種子、根、地下茎などであって、特有の香り、辛味、色調を有し、飲食物に香りづけ、消臭、調味、着色等の目的で使用し、風味や美観をそえるものの総称であり、スパイスとハーブに大別されます。
スパイスとは
スパイスとは香辛料のうち、利用部位として「茎と葉と花を除く」ものの総称です。…….
ハーブとは
ハーブとは香辛料のうち、「茎と葉と花を利用」するものの総称です。……..
引用元:全日本スパイス協会 香辛料とは(http://www.ansa-spice.com/M04_Spice/Spice.html)

スパイスとハーブの分類

実際には、スパイスとハーブの分類は、植物の種類だけでなく、使用する部位によっても異なるため、複雑です。

例えば、コリアンダーとパクチー※は同じ植物ですが、使う部位によって分類が変わります。
パクチーは、葉や茎の部分を指し、主に生のまま使われるハーブ。独特な香りが特徴で、エスニック料理などによく使います。
一方、コリアンダーは、種子(実)の部分を乾燥させたスパイス。甘くエキゾチックな香りで、カレーなどに用いられます。※呼び方は国により様々です。

また、オレガノも、生と乾燥で使い方が変わる例です。
生のオレガノは仕上げや風味づけに使われ、フレッシュな香りを活かせるハーブです。一方、乾燥オレガノは香りが凝縮されて深くスパイシーになるので、加熱料理に向いており、スパイス的な役割で煮込み料理やソースに使われることが多いです。

そのため、「スパイスかハーブか」という分類にこだわる必要はなく、料理や用途(香りづけ・辛味づけ・色づけ)に合わせて、よく使う香辛料の特徴や効果を知っておく方が、実用的で役立ちます。

スパイスとハーブに使用する部位

スパイスとハーブは、葉・種子・根・果実・その他、様々な植物の部位を使います。部位による特徴を知っていれば、香りの強さ、加熱の必要性、使い方などをある程度予測できるでしょう。次に、それぞれの部位の、代表的なスパイス・ハーブの特徴を見ていきましょう。

葉:料理を彩るハーブの魔法

葉を利用したハーブは、料理に爽やかさ、繊細な風味、そして鮮やかな色彩をもたらします。
特にフレッシュハーブは、料理の仕上げに用いることで、その鮮やかな色合いとみずみずしい香り、視覚的な魅力を最大限に楽しむことができます。
一方で、乾燥させた葉も広く用いられ、香りが凝縮されているため、煮込み料理などじっくりと味を引き出す調理法や、素材の臭み消しに効果を発揮します。

■ 葉を使ったハーブ例

葉を使ったハーブ例

1. パセリ
パセリは、生、乾燥、共に強い香りと苦さが特徴。ソースやバターに混ぜ込んだり、刻んで炒め物、フライの衣、卵液に混ぜ込んだりすることで、料理のアクセントとなり、味を引き締めます。

2. ミント
スーッとした清涼感と爽やかな香りが特徴。ペパーミントに多く含まれるメントール成分がその源であり、ガムやキャンディーなどでお馴染みです。スペアミントはより穏やかな香りなので、デザートやドリンク類によく使われています。

3. ローリエ
清々しい香りと、かすかな甘さとほろ苦さが特徴。一般的にはドライハーブとして利用され、肉や魚の香りづけや臭み消しに活躍します。葉に切り込みを入れて使うことで、より香りが出て効果的。煮込み料理にもよく使われています。

フレッシュハーブについては、以下の記事で紹介しています。こちらもぜひご覧ください。
食卓を彩るフレッシュハーブの世界(ジェノベーゼパスタの松の実はごまで代用!スイートバジルの香りを楽しもう)

種子:凝縮された風味のスパイス

種子から得られるスパイスは、その小さな粒の中に強い風味と香りの成分を凝縮しています。
これらのスパイスは通常、乾燥させた状態でホール(粒のまま)またはパウダー(粉末)として使用され、それぞれの形態が料理における最適な利用法を決定します。

ホールスパイスは香りが長持ちするため、じっくりと風味を煮出す煮込み料理に用いられることが多いです。一方、パウダー状のスパイスは、瞬時に香りが広がるため、下味づけや料理の仕上げに適しています。

■ 種子を使ったスパイス例

種子を使ったスパイス例

4. クミン
エスニックな芳香と辛味・苦味が特徴のスパイスで、カレー粉には欠かせません。料理の最初に油に入れて弱火にかけることで、芳香が引き立ちます。チリコンカンなどの料理も、パウダー状のクミンを使うことで、本格的な味に仕上がります。

5. ナツメグ
ほんのりとした甘味と、スパイシーさのバランスの良さが特徴。肉料理の臭みを消し、うまみが増すため、特にハンバーグやミートローフなどのひき肉料理にぴったりのスパイスです。乳製品とも好相性でホワイトソースやシチューの風味づけにも使われています。

根・根茎:大地の力強い香り

植物の根や根茎から得られるスパイスは、大地に育まれた力強い風味と、刺激的な辛味や独特の芳香が特徴。これらは料理の基盤となる風味づけ、素材の臭み消し、辛味づけ、そして時には鮮やかな色づけなど、様々な役割を持ちます。
特にアジア料理でよく使われ、生のまま、乾燥粉末、すりおろしなど、様々な形態で活用されることで、料理に深みと複雑な味わいをもたらします。

■ 根・根茎を使ったスパイス例

根・根茎を使ったスパイス例

6. ジンジャー
シャープな辛味と清涼感が特徴。西洋ではドライジンジャーがお菓子や飲み物に用いられることが多いのに対し、生が手に入りやすい日本では、刻んだり、擦りおろすなど、様々な料理の風味づけにも広く使われています。

7. ターメリック
鮮やかな黄金色と土っぽい風味が特徴。色素成分である「クルクミン」が、料理全体を食欲をそそる美しい黄金色に彩ってくれます。風味づけとしては、スープ、煮物、ピクルス、ライス料理などに用いられ、料理に温かみと深みを与えます。

8. 日本わさび
ツーンと鼻に抜ける辛味と、爽快感のある香りが特徴。特に寿司や刺身、蕎麦などの和食において、生ですりおろして薬味として使われ、料理に上品な風味と刺激を与えます。
参照記事:わさびとごまの相性の秘密!風味豊かな組み合わせで料理がもっと美味しくなる

果実:多彩な味わいと色彩

植物学的には果実として分類される部位から得られるスパイスは、その風味と特性が非常に多様です。辛味を持つものから甘い香りを持つものまで幅広く存在し、料理に辛味、鮮やかな色彩、そして複雑な味わいを加える重要な役割を担います。
これらのスパイスは通常、乾燥させた状態でホール(粒のまま)またはパウダー(粉末)として利用されることが一般的です。

果実を使ったスパイス例

果実を使ったスパイス例

9. ブラックペッパー
強い風味と辛味を持ち、料理全般の風味づけに最も広く使われるスパイスの一つ。
肉料理、魚料理、パスタ、カルボナーラ、リゾット、スープなど、幅広い料理に活用され、料理の仕上げに豊かなアクセントを加えます。

10. パプリカ
甘味のあるトウガラシを乾燥させて粉末にしたパプリカは、鮮やかな赤色と軽い甘味、そしてほのかな辛味が特徴。料理に色彩と風味を加える優れたスパイスで、フレンチフライ、フライドチキン、スープ、パスタソースなどに使われ、見た目を美しく彩り、味わいを深めます。

11. バニラ
世界で最も人気のある香料の一つであり、甘く濃厚で芳醇な香りが特徴です。主にデザートや焼き菓子の風味づけに用いられ、プリンやアイスクリーム、ケーキ、クッキーなどに欠かせません。

その他:独特の香りと効果

植物の葉、種子、根、果実といった主要な部位以外からも、非常に個性豊かな風味を持つスパイスが得られます。樹皮、花、つぼみ、果皮など、それぞれが料理に独特の香りや色、心地よい刺激を加えます。
これらのスパイスは、少量でも料理に際立った個性を与える力があり、その特性を知ることで、料理の幅を広げることができます。

その他の部位を使ったスパイス例

その他の部位を使ったスパイス例

12. 樹皮:シナモン
甘くてエキゾチックな香りが特徴です。
アップルパイやパン、クッキーなどのほか、シナモンティー、ホットワインなどの飲み物にも、広く使われています。また、肉との相性もよく、鶏肉の煮込みや豚の角煮などにも利用され、個性的な香りが料理に深みを与えます。

13. 花(雌しべ):サフラン
世界で最も高価なスパイスの一つであるサフランは、鮮やかな黄金色と独特の華やかな香りが特徴。サフランの色は水に浸すことで抽出できますが、豊かな香りを引き出すためには、料理での適度な加熱も重要です。

14. つぼみ:クローブ
釘に似た形をし、バニラに似た甘い芳香と強い刺激が特徴。肉の臭み消しに非常に効果的で、ポトフ、ビーフシチュー、豚の角煮、カレーなどの煮込み料理によく使います。また、シナモン、ナツメグと一緒に使うと相乗効果を発揮します。

15. 果皮:花椒
すっきりした香りと、痺れるような辛味が特徴。麻婆豆腐でお馴染みのスパイスで、中華料理、特に四川料理で多用されています。
ホール(粒のまま)で油に香りを移したり、粉末にして仕上げに振りかけたりすることで、料理に複雑な風味と刺激を加えます。

なお、上記の種子・根・果実などの分類の中には、植物学的には異なる場合がありますが、この記事では、料理における一般的な分類としています。
果皮(例:花椒)や雌しべ(サフラン)のように、特定の部位のみを特徴的に利用するスパイスは、「その他」として分類しています。

意外に知らない香辛料の世界|スパイスとハーブの違いとは:まとめ

植物の様々な部位から生まれる香辛料は、私たちの料理に欠かせない大切な存在です。
葉を使ったハーブのフレッシュな香りや、種子を使ったスパイスが持つ奥深い香ばしさ、そして根や樹皮、果実といった部位が織りなす個性豊かな風味。それぞれが持つ特性を少し知るだけで、いつものお料理が、魅力的に変わるのを実感できます。

香辛料の分類には明確な基準があるわけではなく、その種類も多岐にわたります。すべてを覚える必要はありませんが、ここで紹介した代表的な分類を知るだけでも、スパイスへの理解が深まり、選び方や組み合わせの幅が広がります。
また、ごまのようにスパイス的な役割を果たす食品もあります。料理や用途に合わせて、香りや風味、辛味を加える様々な食材を使うことで、毎日の食卓がより豊かに、そして楽しいものになるでしょう。

出典 農林水産省:知れば知るほど奥深い!香辛料の魅力再発見(https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2108/spe1_01.html)を加工して作成
参考文献 ハーブとスパイスの図鑑ミニ/マイナビ出版/2018年 いちばんくわしいスパイス便利帳/世界文化社/2017年

この記事を書いた人

真誠 編集部

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